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【色々な樹を育てる人生設計】「何を選んでも正解にできる」~坂本さんインタビューvol.4~

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2021/06/09

【色々な樹を育てる人生設計】「何を選んでも正解にできる」~坂本さんインタビューvol.4~

# 文科Ⅱ類

# 教養学部

今回は、文科Ⅱ類から国関に進学し、卒業後はP&Gマーケティング、海外大学院留学、国連WFP、そしてJICAと様々な場所から国際協力に貢献されてきた坂本和樹さんのインタビューvol.4をお届けします。最終章となるvol.4では、坂本さんの今後のビジョンや東大生に伝えたいことをお伺いします。

 ──ありがとうございます。今までのお話でも、坂本さんは様々な場所で活躍されていると思うのですが、1つの企業から離れるということに何かハードルのようなものを感じたりすることはなかったのでしょうか?

そうですね、会社を辞める日は感傷的なものがありましたね。P&Gには7年勤めていたので思い出もありました。一方で、外資系の企業ということもあり、私が辞める時には同期の半分以上が辞めていたので、決してマイノリティではないのだなとも思いました。



 ──なるほど。この後のビジョンとしてはどのようなものを考えていらっしゃいますか?

この後はJPOで国連に入りたいと思っています。その後何年勤務するかはわからないですが、自分が一定の価値を出せたなと思えるところまでいようかなと。その次は民間に戻って経営者に近い仕事をしたいなと考えています。中小企業やスタートアップでも良いので、P&Gで感じた「社会性や公共性の実現とビジネスの共存」が達成できたらなと思います。JICAでの「中小企業・SDGビジネス支援事業」のように、民間企業に途上国に来てもらってビジネスもするし、結果的に開発課題の解決にも寄与するというスキームがあるということは、それはきっと実現不可能なことではないと思っています。今は企業を支援する立場ですが、いつかそれを実行する立場に立って、感じていたわだかまりを解消するようなビジネスをやりたいなと思います。



 ──なるほど。国際協力にも現場への近さにおいて幅があると感じているのですが、坂本さんとしては最終的には事業として現地に入っていく部分に力を入れたいということでしょうか?

自分が独自の価値を出せるかを大事にしています。大きな組織に入るとシステムが整っており、誰がやっても似たような結果が出るのではないか思うことも多いんです。自分がやるからこそ前任者よりもプラスの価値が出せるところにいたいと思っています。国連WFPやJICAに勤務してわかったのですが、公的機関には民間企業でのビジネス経験を持っている人は少ないんですね。そうなると私が力を出せるのは民間連携で、そこで企業からの技術や資金を国際協力に生かしていくことに貢献できたらなと思います。ただ、民間に戻ったらマーケティングなど、ビジネスを最前線で進めていくポジションで携わりたいなと思います。



 ──坂本さんのお話を聞いていて、ご自身の強みを明確に意識していらっしゃるなと感じたのですが、強みというのはキャリアの中で形成されていったのですか?

そうですね、キャリアの中で気づいて作っていったものだと思います。強みというと、人と比べて相対的に出来る/出来ないというのと、自分の中での得意不得意と2種類ありますよね。私が今言っていたのは前者で、人と比べてどうかというのはP&G、国連WFP、JICAと複数の場所で実際に働いてみて実感しました。

自分自身の得意不得意で言うと、これもやってみて気づくことではあるのですが、私はお金稼ぎだけするのは嫌いなんだなと気づきました。これに関してもP&Gでの仕事を経験してきて気づいたことだなあと思います。



 ──ありがとうございます。今後のビジョンについて、最後は政治にも触れるとおっしゃっていたと思うのですが、政治にはどういう点から興味があったのですか?

地元で長年公務員(消防士)をしている父の影響ですね。父から仕事の話を聞いていたこともあり、市という単位が、消防などのインフラを含んできちんと機能するためには正しく予算が配分される必要があり、その意思決定の部分に関わりたいと高校生の頃から思っていました。ただ、それが大学やそれ以降のこれまでのキャリアと結びついているわけではないと思います。

実は、国連WFPやJICAの仕事もあまりP&Gでの学びを行かせているとは言い切れないですね。業界や職種もかなり違いますし。自分としてもひとつの樹を伸ばすのではなく、別々の樹を植えている感じなんです。政治に関しても、50代くらいから種を植え初めて、咲くのは60代かもしれないですけど、長い人生なので、1本の樹をずっと育てるよりも、色々な樹を育てた方が、色んな色の花が咲いて、死ぬときにはより綺麗な景色に見えるのではないかなと思ってます。



 ──なるほど。沢山の樹を育てるという生き方や価値観は新鮮ですね。それでは最後に、この記事を読んでいる東大生に向けてメッセージがあればお願いします。

社会人になったら気づくと思うのですが、東大はとても優秀な人が集まっている場所です。どんな団体に入ってもここまで優秀な人が集まっているコミュニティはかなり珍しいと思います。そんな場所で共に学び、友だちと一緒に過ごすことは今みなさんが思っているよりもとても貴重な時間なので、大切にしてほしいです。進学振り分けでの進路選択については、キャリアに繋がるかという考え方のもあるかと思いますが、こういう仲間と学びたい・こういう分野を学びたいということを優先したほうが、長い目で見たら結果的にはきっと良いのではないかと思います。



 ──なるほど。私自身進学選択を目前に益々迷います......(笑)。

そうですよね。でも、いろんな選択肢がありますけど、みなさんは受験で基礎学力も努力する力も身につけているので、何を選んでもその後正解にできると思います。迷って決めたらその道に進むだけで、みなさんであれば、どの道を選んでも大丈夫だと思います。悩みすぎない方が良いかなと思いますね。