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進学選択

【東大 進振り】自分の興味を突き詰めての進学選択 先輩インタビュー vol.1

進学選択

2021/08/07

【東大 進振り】自分の興味を突き詰めての進学選択 先輩インタビュー vol.1

# 女性のキャリア

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# 文科Ⅲ類

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今回は佐藤有里香さんのインタビューvol.1をお届けします。 佐藤さんは文科Ⅲ類から文学部社会学科に進学され、住友商事で4年間勤務されたのちに退職され、現在は2021年9月からのイギリスの大学院留学に向けて準備をされています。 vol.1では佐藤さんが文科Ⅲ類に入学されてからどのようなキャンパスライフを送り、どのような考えのもとで文学部社会学科へ進学されたのか、そして進学後はどのような研究をされたのかに関して、深掘りしていきたいと思います。

  ── どうして文科Ⅲ類を選択されたのか、というところからお話を伺っていければと思いますがいかがでしょうか?

政治にも経済にもそこまで興味がなかった消去法の結果というところもあるのですが(笑)。祖父が途上国で技術支援の仕事をしていたこともあり、もともと途上国で働きたいという思いを持っていたので国際関係論コースに進学したいと思っていました。それならば、文科Ⅲ類に進学するのがよいのだろうなと、入学前の浅い知識で考えていました。

  ── 実際に東大へ入学して前期教養学部の多様な授業を履修する中で感じたこと、あるいは興味の移り変わり等があれば教えてください。

国際関係論や地域研究の授業、ジェンダー論など幅広く授業を履修していました。もともと女子校だったこともありジェンダー問題には非常に興味があったのですが、改めて授業としてジェンダー見つめ直すなかで、日々感じていたモヤモヤが言語化されていくのを感じ、非常に面白かったです。振り返ってみると、駒場時代の私は大きく分けて、国際関係とジェンダーという2本の軸というのを持っていたと思います。

  ── ジェンダー問題に関してはどのようなことを考えておられたのですか?

当時は東大女子の割合が低いことや、女性がキャリアを考えるうえで育児などとの両立に不安を抱えなければいけない状況に問題意識を持っていました。女性がもっと働きやすい社会になればいいなと感じましたし、逆に家族のサポートにまわりたい男性が主夫になる選択肢も普及していいと思いました。性別によってレッテルを貼られることなく、自分の生きやすい道を選べる社会になればいいなと感じました。

  ── 駒場時代はジェンダーや国際関係に関してのゼミや何かしらの課外活動に参加されたりしていましたか?

1,2年の時は女子ラクロス部に入部し毎日ラクロス漬けの日々を送っていたので、他のことに手を出す時間的余裕はそこまでなかったのですが、2年のAセメでは瀬地山先生(※ジェンダー論の教授)のゼミに入り、毎回課される課題本を読みそれをもとに議論・発表していました。

  ── 女子ラクロス部は朝早くから本当に忙しいですよね……。2年の12月に部活を辞めてしまったというお話を伺ったのですが、これは後期課程の忙しさが故なのでしょうか?

ラクロス部も本当に楽しかったのですが、もともと留学したいという思いを持っていたので、このタイミングで辞めることを決意しました。

  ── 部活で暮らした2年間で学んだことがあれば教えてください。

他の部員は自分がこうしたい!という思いを主張することができていたのですが、私はあまり自分の意見を主張するのが得意ではなかったので、コンプレックスに感じたり悩んだこともありました。。意見が対立した時には私は調和を図る側に回っていたのですが、こっちの方が適性があるのかなと考えるようになり、調整や管理を強みにして生きていくのもありなのかなと考えるようになりました。

  ── 次に進学選択に関してお伺いしたいのですが、数ある学部学科の中から文学部社会学科を選択された理由を教えていただけますか?

部活をしてたらというのは言い訳ですが(笑)、後期教養学部に進学することは点数的に厳しいことがわかりました。とはいえ、途上国に関わるなら何かしら専門性を有していた方がいいのかなと思い、第一志望先を農学部の国際開発農学専修で提出しましたが少し点が足りませんでした。今振り返ると農業にはあまり興味がなかったのでよかったなとは思っているのですが(笑)。一回国際的という面から離れて、国内国外問わず自分の興味を改めて見つめ直す中で、性別や環境、生まれに伴う機会や経済格差に興味があるなと改めて感じました。そこで、ジェンダーや社会格差などが勉強できる社会学科に進学しようと決意しました。

  ── 記憶に残っているできごとなどがありましたらお教えください。

私は横浜出身横浜育ちで地方の実情に関してはあまり詳しくなかったということもあり、地方から来ている同級生の話は非常に刺激的でした。都心と比べて地方に足りないのは勉強にアクセスする環境自体というよりかは、東大を目指そうと志す文化的資本なんだという話を耳にして、自分は首都圏にいるからこそ見えない格差があることに気づき勉強になりましたし、様々な人の立場で社会を捉え直すことの大切さを改めて感じました。。

  ── 実際に社会学科に進学されてからの日々はいかがでしたか?またどのようなことを学んだか教えてください。

実際に進学して学びを深めるなかで、社会のレッテルはもともとあるわけではなく人々の規範によって形作られてきたという、いわゆる構築主義的な考え方が自分の感覚としてもしっくりくるなと感じましたし、社会に潜む格差や不平等、生きづらさなどの現象を言語化し、定義付ける社会学にとても面白みを感じました。何より社学に進学してきた人には考え方がリベラルな人が多かったので授業中のみならずお昼休みにもご飯を食べながら様々なバックグラウンドを持つ同級生達と教育格差、少子高齢化などあらゆる社会問題や、どうしたら東大女子が増えるかといった身近な問題に対してざっくばらんに意見を戦わせられたのが非常によかったと感じています。

私は白羽瀬先生のゼミに所属していたのですが、社会階層に関して知見を深める中で女性が社会で活躍するための経済的エンパワーメントに興味を持ちました。同時期にシンクタンク系の企業でインターンをしていたのですが、テレワークが共生社会にどう役立つのかという調査のお手伝いをするなかでテレワークというものにも関心が芽生え始めました。それまでは女性の社会進出という人権的側面にばかり目が向いていたのですが、人口減少を続ける日本社会において女性の社会進出は経済的な起爆剤となりうるという、経済促進の一手法として捉え直す考え方を身につけました。結果的に、テレワークが共生社会にどれだけ資するのか、というテーマで卒業論文を書きました。

当時はテレワークもそこまで普及していなかったのですが、どのような施策をしていて、それが働きやすさにどう繋がっているのか、といったことを既にテレワークを導入していた数社にインタビューし、女性活躍の政策や取り組みがどのように変革していったのか戦後からの流れも踏まえて分析しました。

もちろんみんな平等だよねという観点からジェンダー格差が解消されたら理想的だとは思います。ただ女性は育休や産休で会社を抜けやすいということもあるので人権だけの側面で語ると企業の利害と一致しないことも実際問題あると思います。だからこそ、経済政策として誘導していかないと平等の実現は難しいのかなと感じています。