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【法科大学院】学部とロースクールの違いとそこで得た学び~羽深宏樹さんインタビューvol.2~

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2021/08/26

【法科大学院】学部とロースクールの違いとそこで得た学び~羽深宏樹さんインタビューvol.2~

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今回は、文科Ⅰ類から法学部に進学し、法科大学院を卒業された後、弁護士として法律事務所だけでなく金融庁や経産省でも勤務され、国際的に活躍されている羽深さんのインタビューvol.2をお届けします。 vol.2では、学部とロースクールでの学び違いと、ロースクールに行ったからこそわかったことについてお伺いしました。

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 ──それでは、ロースクールについてお伺いしたいと思います。学部とはどのような違いがあったのでしょうか?

そうですね、まず授業のスタイルが全く違います。一方向的だった学部と違って、ロースクールはディスカッションをしながらの双方向的な授業が基本でした。教室のサイズも、法学部は400人規模ですがロースクールは50~60人程度と小規模になり、1人1人にマイクが回ってくるという状況でしたね。学部では基本的に教授が説明する学説や判例をその場で聞いてノートを取り、後で復習というスタイルでしたが、ロースクールでは判例や条文といった調べれば分かるものは自分で予習してくるというのが前提でした。授業では判例の根拠や妥当性、歴史的整合性を議論しました。つまり、今あるものを学ぶのではなく、それを掘り下げて理解を深める場所でした。実務では目の前の新しい課題に対して、過去の条文や判例と照らし合わせてどう解決するかを考えるんですよね。そのときに当事者が納得できる形での解決をしなければならないけれど、納得重視でフィーリングでやってもいけない。事案の解決としての妥当性と過去の判例との整合性を両立させるような解決策を作らなくてないけないんですね。そういう意味で、ロースクールでの学びは実務に非常に近かったです。それを2年間やったので、ディスカッションする能力やプレゼンする能力、論理的な文章を書く能力は凄く鍛えられたと思います。大変ですが、その分理解も仲間同士のつながりも深まります。みんなで課題を解決していくというロースクールでの学びはとても楽しかったです。

 ──あまりイメージがつかないのですが、ロースクールの生活は学部よりも授業関連に打ち込むような状況になるのですか?

そうですね、予習にかける負担は大きかったです。週末も次の週の予習をしていました。ロースクールの成績はその後の留学や就職に響いてくるので、成績も取らなければならないというプレッシャーもありました。他方で、ロースクールでの学びと無関係ではないけれども、直接対応しているとも言い切れない司法試験を卒業直後に受験するということもあったので、忙しかったですね。

 ──無関係ではないけれども直接対応しているとも言い切れない、と言いますと?

判例が出発点で、その妥当性を疑ったり、より良い解決策を考えたりするのがロースクールでの学びであるのに対し、判例や定説を知っているか、それを使って判例を解決する力があるかを測るのが司法試験です。実務は基本的に判例や定説をベースに回っているので、日々の課題を判例や定説をもとにして解決していくという意味では、実務は司法試験に近いかもしれません。どちらが良い悪いではなく、性質が違うということだと思います。

 ──なるほど。ロースクール卒業後のキャリアなどについては、どういうことを考えていらしたのですか?

消去法で考えていました。自分の性格的に刑事事件は向かないと思い、検事ではないなと考えました。裁判官については、自分の専門的知識と経験を活かして、国家の判断として判決を下すというのがすごく魅力的に感じました。でも、日本の裁判官の場合、基本的に裁判所の外に出ないんですよね。つまり、生の事実を集める仕事は弁護士や検事がやり、裁判官は裁判所に持ち込まれた証拠書類を見て判断するという仕事で、それが最後までひっかかっていました。色々な場所に行って生の事実を体験するのが好きな性格だったので、外から来る証拠を見ながら判断を下す裁判官を考えたときに、もう少し外の世界を飛び回りたいと思い、弁護士かなと思いました。

 ──なるほど、そうだったんですね。

はい。加えて、ロースクールの1年目でサマースクールがあり、日本の大学生、社会人やアジアを中心とする海外からの留学生が国内のホテルに泊まり込みで外国法を学ぶプログラムを受けました。そこで、留学生の人たちと一緒の場で会話をするのがすごく楽しく、国際的なことができたら楽しいなと感じていたんですよね。それもあって、弁護士、特に渉外案件など国際的な案件を扱える場所で働きたいなと思いました。そうすると大手の事務所に入るのが良いかなと考えました。大手の事務所だと様々な案件があるので、自分の専門を決める前に色々なことが見られるかなと思ったこともありました。


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