大学院
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2021/09/10
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今回は、文科Ⅲ類から工学部電子情報工学科に進学した後、博士課程まで修了し、Mantra株式会社を創業された石渡祥之佑さんのインタビューvol.2をお届けします。 vol.2では石渡さんの修士課程での体験や、海外での経験も積まれた博士課程での体験についてお聞かせいただきます。
──電情の学生の就職と院進の割合はどれくらいでしたか?
正確な数字は分かりませんが、当時、体感として95%くらいは院進してましたね。
──石渡さんはどのような選択をしたのですか?
先ほど申し上げたように、もともとは教員免許とって先生になろうと思っていたのですが、学科で勉強するなかで、エンジニアになった方が楽しそうだと思うようになりました。エンジニアになることを決めてからは学部就職はほとんど考えませんでした。大学院で研究したら楽しそうだから、早く大学院にいきたいなと思ってました。
──石渡さんは何について研究されてたんですか?
僕は自然言語処理についての研究をしていました。コンピューターで処理するものって色々ありますよね。最近だと「AI」という言葉が流行ってますけど、カメラに写った画像を理解して車の運転を支援するAIとか、書かれたテキストを読んで対話できるAIとか、いろんな種類のものがあります。そのなかで、僕がやっていたのはテキストですね。テキストを計算機に理解させる技術の研究を学部4年から始めて、今もやっています。
──石渡さんは、結果的に博士課程も修了されていますが、もともとそ その予定でしたか?それとも修士課程修了後に就職する予定でしたか?
最初は、修士が終わったら就職しようと思っていました。でも、勉強していくなかで、こんなに面白いものをここでは終えられないと思うようになりました。さらに、エンジニアになるなら別に博士になってからでも決して遅くないし、むしろ有利なんじゃないとも思うようになりました。研究の能力を身につけてエンジニアなるのもいいじゃんと考えて、博士にいくことにしました。
──なるほど。修士課程や博士課程のイメージがわかない学生も多いと思うのですが、どのようなカリキュラムでしたか?
ざっくり修士2年、博士3年という感じです。博士はもっと長い人が結構いますね。修士も博士も研究室でやることは一緒です。だから5年いるからって特別なことはありません。自分と先生、場合によっては先輩とか同期とか後輩とかとも一緒になって、研究をして論文を書いて発表する。これをずっとやります。
とはいえ、修士はまだ授業がちょっとあるので、まだ学部生と博士の間みたいな感じですかね。とはいえ、学部のときとは全然違います。授業がメインで何十人と一緒に授業を受けるというの学部の時のような授業は週に数回しかなく、ほとんどは自分の研究室で研究をするという感じでしたね。
──修士と博士の違いは何かありませんか?
大きな違いはありません。しかし、博士の方が結果に対して求められるハードルが高い、というのが修士と博士の違いですね。僕のいた学科では、博士になると授業とかが減っていくので、時間もかなり自由ですね。
情報系の研究は、研究室にいなくてもできるんですよ。パソコンを研究室のでかいサーバーにさえ繋げられれば計算はできるので、場所はあまり関係ありません。ですので、多くの同期が博士に入ってからは海外でインターンしたり海外の大学にしばらく行ったりして、現地の会社の人や海外の大学の先生と一緒に研究をやってました。
僕もそれをやっていて、博士1年目の頃は夏休みから半年間、北京のマイクロソフトリサーチアジアというマイクロソフトの研究所で研究しました。博士1年目の半年は日本で、残りの半年は中国で過ごしたという感じでした。
↑大学院在学中に参加したテキサスの展示会「SXSW」
──いわゆる留学というイメージとは少し違うイメージがありますね。
そうですね。どちらかというと、海外インターンですね。
博士2年目はアメリカのカーネギーメロン大学という言語処理の分野が強い大学に行って、そこの先生と一緒に研究を半年間しました。だから、博士二年も半分は日本にいて半分はアメリカにいた感じです。こちらの方が留学のイメージに近い感じですかね。とはいえ、行く先が企業か大学かの違いはあれど、どっちも研究をしに行っていて、ゴールは論文を書くことであるという点は変わりません。
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