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【VC】起業家をサポートするVCの実態とその魅力について~白川さんインタビューvol.2~

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2021/11/30

【VC】起業家をサポートするVCの実態とその魅力について~白川さんインタビューvol.2~

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今回は、文科Ⅰ類から法学部に進学した後、新規事業立ち上げや留学を経験し、新卒でVC(ベンチャーキャピタル)のジャフコ グループ株式会社に入社された、 白川亜祐旭さんのインタビューvol.2をお届けします。 vol.2では、VCとはどういうビジネスモデルの業界なのかや、新卒でVCに入社するというキャリアなどについてお聞かせいただきます。

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──VC(ベンチャーキャピタル)とはどのようなことをする会社でしょうか?

白川さん

一言で言うと、スタートアップに投資している会社です。高い成長性が見込める会社に資金を拠出し、その対価として株式を取得します。投資先の会社が成長すると、それに伴って株式の価値も上昇するので、将来的に保有株式を売却(Exit)することで、株式売却益(キャピタルゲイン)を得るというのがビジネスモデルです。

投資資金は、金融機関や機関投資家(証券会社など)、事業会社などから集めています。弊社の最新のファンドでは約800億円の資金を運用しています。Exitは、上場やM&Aなどのタイミングになります。

また、資金提供して終わりではなく、事業を成長させるための様々な支援も行います。取締役会に出席して議論するなど、日々経営課題を考えながら一緒に仕事をする他、人材採用や営業、マーケティング活動を一緒に行うこともあります。会社の中の人になって一緒に手を動かしながら事業を伸ばしていくのがコンサルの仕事とは異なる部分です。未上場の会社が上場するには、早ければ数年、長ければ10年ほどかかります。だから、投資先の会社とは、一時の付き合いではなく非常に長いお付き合いになります。

投資家という側面と、事業を成長させていくという事業家という側面の双方の特徴があるのが、ベンチャーキャピタリストという仕事です。

──実際に白川さんはどのような業務をされているのですか?

白川さん

通常業務では、大きくソーシング、デューデリジェンス(DD)、投資実行、投資先支援の4つがあります。

ソーシングというのは、投資先を探す業務のことです。色々な起業家にお会いして事業計画についてディスカッションし、投資したい、投資すべきだという会社を探します。実際にそのような会社に出会えた場合は、DDをします。DDとは投資検討のことで、事業の成長性やリスクを深いレベルで理解し、投資の確度を高めていきます。DDの後に、社内で投資すべきと合意が取れれば、会社側と投資の条件を詰めて、実際に投資を実行します。投資後の支援では、投資先の会社の成長に関するお手伝いを幅広く行ないます。

──日本ではVCが多すぎるという話を聞いたことがあるのですが、実際にどうなのですか?

白川さん

まず、大前提としてVCが増えることはいいことだと思います。というのも、海外と比べると日本のVC市場はまだまだ小さいです。日本のスタートアップに対する年間投資金額はアメリカの数十分の一です。有望なスタートアップを日本で増やしていくためにはまだまだ未上場企業に流れる資金の総量が足りないと思っています。

過去にも景気の波に伴ってVCの数が大きく増えたタイミングはありました。現在もVCの他、コーポレート・ベンチャーキャピタル(CVC)や事業会社からの直接投資も増加傾向にあります。ただ、資金提供をするだけでなく、投資先に関わって成長のサポートまでできるVCは多くはありません。キャピタリスト1人に対する投資先が増えれば増えるほど1社あたりに割けるリソースは手薄になってしまいます。しっかりスタートアップ支援をするには、相応の数のベンチャーキャピタリストが必要です。起業家の数が今後もさらに増えることを考えると、ベンチャーキャピタリストも増えていかないといけないのではないかと思ってます。

──新卒でVCに入社される方は多くないと思うのですが、新卒入社として意識していることはありますか?

白川さん

業界に経験豊富で実績がある先輩方が多い中で、若手としてどう立ち回って結果を出していくかということは常に考えています。その中で、大きく2つのことを意識しています。

1つは、若いからこそ戦えるフィールドで戦うということです。数十年分の経験の差がある先輩には、知識で勝負しても負けてしまいます。だから、先輩のキャピタリストが知識がない、理解が難しい領域で戦おうと思っています。若者と年配の方で知識の差がない新しいテクノロジー領域、若者の感性でしか理解できないSNSやエンタメ領域、などが例として挙げられます。私の投資先の音声SNSのパラレルは、国内のC向けサービスでトップクラスに成長していますが、このスタンスをもっていたからこそ投資に至った先です。

もう1つは、他の人は注目していないけれど、今後成長する領域を見つけるということです。先ほどお伝えしたように、ベンチャーキャピタルは投資業なので、株を安く仕入れて、高く売ることで利益を得るビジネスです。多くの人が良いと評価している会社というのは、仕入れの段階で既に株価が高くなるので、大きく利益を得るのは難しくなってしまいます。だから、私はベンチャーキャピタル業界で流行りの領域は無視しています。たとえば、SaaSというソフトウェアの領域が現在VC業界で注目されていますが、私は積極的には追っていません。SaaSの会社に投資するとしてもSaaSの次のトレンドを見据えている会社に投資したいと考えています。

──なるほど。新卒でVCに入るメリットがあれば教えてください。

白川さん

ベンチャーファイナンスには一番詳しくなれる職種だと思います。ファイナンスに詳しくなるなら投資銀行や銀行もあるかもしれませんが少なくともベンチャーファイナンスについて専門性を深めるには、VCに入ることが一番の近道だと思います。実際に、弊社出身でベンチャー企業のCFOになられている方もいらっしゃいます。

──最後に東大生へのメッセージをお願いします。

白川さん

VCの仕事面白そうと思ってもらえましたでしょうか。私にとっては現状考え得る最高の仕事ですが、この記事を読んでいる方々全員にとってVCになるのが必ずしも人生において最良の選択になるとは当然ながら思いません。東大生は選択肢が多く、将来について悩む事が多いと思いますが、自分の人生で何をなしたいかを根気強く鬱々と考えた上で、周りとの比較や見栄え抜きでこれがやりたいんだという道を見つけられるのが最高だと思ってます。