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【官民連携】現在進行形の省庁・官民横断~栫井さんインタビュー vol.3~

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2021/12/15

【官民連携】現在進行形の省庁・官民横断~栫井さんインタビュー vol.3~

# 理科Ⅰ類

# 工学部

# 公務員

# 起業

# ベンチャー

今回は理科Ⅰ類から工学部計数工学科へ進学したのち、経済産業省に入省、現在は独立して株式会社Publinkを運営している栫井誠一郎さんのインタビューをお届けします。vol.3 ではこれまでの活動の集大成となるPublinkでの官民連携の活動と、今後の展望についてお伺いします。

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──2度の起業経験のお話ありがとうございました。vol.3では、Publinkと官民連携を中心としてお話をお聞きします。まず、Publinkでは何を目指してどのような活動をしていらっしゃるのですか?

栫井さん

Publinkでは官と民の間の橋渡しとなることを目指しています。私自身も、官を否定するわけでもなく持ち上げるわけでもなく、官と民の間を「翻訳」してコーディネートできるようなレアな人材になりたいという思いがありました。そういう人って世の中にあんまりいないですよね。

活動自体はプラットフォーム作成に近いですね。Zpeerの経験から、つながりをひたすら掛け算で増やしていってその間を繋いで行くのは間違いなく正しいなと思っています。現在運営しているコミュニティが8個あるのですが、多くは100人以上のつながりをFacebookのグループで持っています。これらのつながりが直接ビジネスになるわけではなく、間接的に使えるアセットになっています。具体的には、今どこの部署がどのような政策をしているのかを共有していくことで、企業の方々と上手くwin-winの関係で繋ぐ手助けになるだろうと考えています。

これだけ起業を繰り返していると飽きっぽい人のように思われてしまうかもしれないのですが、実はこれまでの経験は全てPublinkに繋がっているんですね。20代のうちはひたすらスキル上げをしようと思っていて。経済産業省を辞めて、起業して民間のスキルと実績を身につけた方が官民の連携をするときに説得力があるじゃないですか。

──そうですね。プラットフォーム作成というのは具体的にどのようなものなのでしょうか。どこで売上を上げているのですか?

栫井さん

これ自体はビジネスにしていなくて、共感した人とか一緒に楽しみたい人が無料で繋がれるようにしています。そのつながりが間接的に仕事に使える、そういった信頼関係やネットワークを広げています。たとえばまちづくりの政策があったとき、そこには国土交通省だけでなく内閣府や経済産業省も関係していますよね? 通信を入れたら総務省も関係してくるかもしれません。しかし省庁を跨いでしまうと、お互いの「〇〇省〇〇局」の肩書が邪魔をして連携のハードルが非常に高いんです。その一方で、このコミュニティで個人として向き合うとすごく仲良くなってお互いに率直に話すことができるんです。

もちろんPublink自体は営利企業なので事業としては色々なことをやっています。たとえば、長野県庁の仕事を受託してきて、それぞれの市町村の持っている課題を県外の大企業やベンチャーにオープンイノベーションプログラムとして告知しています。プロジェクトをどう成功に導くかを今ちょうどやっているところですよ。

──そうなんですね! では今後Publinkを用いてどのような官民連携の将来像を描いているのですか?

栫井さん

まずはプラットフォームビジネスを洗練していくことですね。今は私が個別につないでいることが多いのですが、もっとみんなが自由に行き来できる場にして、私以外にも官と民のコーディネーターを産みたいと考えています。また、霞ヶ関の近くに物理的な場を確保しました。ここを一般社団として立ち上げて、官民連携に興味がある人たち、また他の官民連携組織の人が自由に集まれる「秘密基地」にできたら、と思っています。官僚同士が会議室で話すのではなく、個人として率直に話せる場にしたいですね。

──まさに官民連携が実体を持って進んでいるんですね。事業としての成長についてはいかがですか?

栫井さん

最近では受託の収益をウェブメディアに投資しています。Publingualというメディアで「政策を戦略に変える」をキャッチフレーズに、真面目に政策を伝えるメディアを目指しています。例えば、政府の100ページのwordを3分で解説しましょうとかですね。まだ収益化するにはユーザー数を稼ぐ必要がありますが、少しずつ投資しています。また、官と民で交流するオンラインサロンも運営しています。事業という点では上場も考えているところです。

「政策を戦略に変えるメディア」Publingualはこちらから!

──最後に20代の私たちに30歳、40歳の視点から見えるものを教えてください。

栫井さん

20代って色々な経験をどんどん積んで新しいことをしてスキルを高めたりお金を稼いだり、自分のレベル上げとも言えるようなことをカッコよく感じますよね。それは間違いないのですが、30代になると自分の成長しか眼中にない人は「嫌な自己満足野郎」になってしまいます(笑)。成長よりも、チームや社会に対して何を与えられるのか、という価値観に変わる人が多いですね。「インプットからアウトプットに変わる」と表現することもできます。30代になって周りにどのような価値を与えたいかを考えて20代の間成長できると理想的ですね。

40代は私にとっても未知の領域ですが、体力が圧倒的になくなりますよね。がむしゃらに働くだけでは20代に勝てなくなります。そこでこれまで自分が高めてきた部分を言語化・ブランド化するんですね。がむしゃらに周りへ貢献するのではなく、単価を上げて周りに尖った価値を出すことが大事になります。大学生の頃はとにかく周りに頼られることが嬉しかったりしますが、30代、40代からは「自分がどのように必要とされたいか」考える必要がありますね。

──年をとってからこそ自分の尖った専門性を出していく、その専門性で周囲に貢献していくということですね。とても勉強になります! 本当にありがとうございました。