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【デベロッパー】再開発で、一人の人生を豊かに~石田さんインタビューvol.3

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2022/02/17

【デベロッパー】再開発で、一人の人生を豊かに~石田さんインタビューvol.3

# 不動産・建築

# 理科Ⅰ類

# 工学部

# 公務員

今回は石田整さんのインタビューvol.3をお届けします。石田さんは理科Ⅰ類から工学部都市工学科に進学され、大学院にまで進んだ後、経済産業省で約4年間勤務されました。その後、三井不動産に転職され、現在もご活躍中です。vol.3では、石田さんが三井不動産で実際にされている業務についてお聞きしました。

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──それでは、実際に三井不動産でどのような仕事をされて、どのようなやりがいがあるのかお聞かせください。

石田さん

一番記憶に濃いのはコレド室町の開発担当をやっていて、コレド室町3を造って実際に竣工したときですね。建物ができあがってお客さんが使うところまでずっと見ていた時に、やっぱり自分が作ったものに多くの人が来て、そこで楽しんでいる、遊んでるっていうのを目の前でリアルに見られるっていうのはなかなかない経験だと思います。あとは自分の家族に仕事何やってるの? と聞かれて、子どもにこれを作ったんだよ、と言えるのはとてもいいです。モチベーションになると思っていますね。

後はワークスタイリングというシェアオフィスの企画、コンセプト提案から携わっていた時に思ったのは、先ほどのコレド室町のように、大きな開発っていうのはそれはそれでおもしろいんですけど、一方で大きな開発物がたくさんあっても、ある一人の個人にフォーカスした時に人生の質が上がるのか、という点には個人的には疑問がありました。たとえば今渋谷でできることが、秋葉原に同じような施設ができました。まあ近くに住んでる人はすごく楽しいなと思うんですけど、ある一人の人の人生において、人生がより豊かになるかというと、別にこれまでも渋谷に行けばよかったわけで。

そういうふうに要は、量的な拡大みたいなものに、なんとなく自分の中で興味が薄れていった時に、ワーフスタイリングはシェアオフィスとして、新しい働き方を提案できたんですね。法人同士で契約をして、会社は正式にシェアオフィスをしてここを使ってください、

という仕組みなんです。そうすると今までは会社に出勤しないといけなかった人が、胸を張って会社に行かないで、別の場所で仕事ができる。それって生活の質が変わりますよね。

今も再開発をやっていますが、まあ再開発で、大きなビルに商業施設が入るだけだったら興味がないので、その再開発を介して、どうやって一人の人生を豊かにするか、というところにやりがいをすごく感じますね。

──コレド室町の開発担当をされていたということですが、実際にどのような仕事内容だったか教えて下さい。

石田さん

わかりやすいのは会社として、予算や期間、どのように投資を回収するかの計画を建てるわけですね。それで与えられた予算の中で、設計会社や施工会社とやり取りをしつつ、建物のコンセプトなどを決める、というところがまず最初です。うちの会社は比較的一個一個の商品が各担当の思いで結構まちまちなんですよね。

たとえばミッドタウンの六本木や日比谷と、日本橋三井タワーっていうのは雰囲気とか作り方違っています。同じ大きさの敷地でも、どんなデザインでどんな建物にするか、というのは結構自由度が高いんですね。その中で建物の大きさをどうするか、どのくらい商業施設を入れるか、上層だけ賃貸住宅にする、ということもありますし、ホテルを入れる、ということもあります。そのようにコンセプトや全体のデザインをまずは設計します。

大きいところを決めたら床や壁の色、吹き抜けにするかどうかなど、細かいところまでも設計者と打ち合わせをして決めていくんですね。それこそ今のコレド室町の中でも自分がデザインを決めたものも当然入っているし、それが形になって実際に使われるっていうのはすごくおもしろいな、と思いますね。

当然ビルを建てるのに、一人で全部決めることってないんですね。会社の中で、オフィスビルや商業、住宅など色々な部門があるので、商業は商業の専門部隊に聞くし、住宅は住宅の専門部隊に聞くしという形で、社内のリソースや関係者を全部調整して、結果的に一つのいい建物を作っていく。「扇の要」という表現をよく使っていたのですが、とそのような業務をしていました。

また、いいもの作ろうとしたら当然金がかかるので、お金の責任も自分たちで負わないといけませんでした。もちろん、結果的にいいものを作っても、作って終わりじゃ意味がないので、実際に次は作ったものを今のマーケットにおいていくらで営業していこうかという、価格設定、値付けみたいなところも自分たちでやらないといけない。

その後は、営業する人はまた別にいるんですね。で、営業する人たちにその価格でこういう戦略で営業して欲しい、とお願いをして、テナントが入った後も50年、100年と建物を維持するための管理まで含めて、取りまとめなくてはいけない、という感じですね。

──仕事をやっていて、大変だったことについて伺いたいと思います。

石田さん

やっぱり転職した当初は、全く知識もない中、社内でも重要なプロジェクトに入ったので、そこは大変でしたね。あと、役所にいたときは、特に外部の人に怒られることが全然なかったんですよ。皆テレビの前では官僚に文句を言うけど、面と向かって言われることってあんまりなかったんですね。しかし、当然民間企業に移ればそんなことはなくて、外部からもいくらでも何でも言われるし、転職して1ヶ月だろうと、不動産のプロとして見られるので、そこもプレッシャーは大きかったです。労働時間は経済産業省時代のほうが長かったんですけど、転職当初は、精神的負担は大きかったですね。

──入社したときに感じたギャップについてお聞かせください。

石田さん

民間企業って、合理的に利益を追求するのかな、と思っていたのですが、思った以上に役所っぽい会社だなと思いました。一方で、いわゆる年功序列感というか、アットホーム感というか、ゴリゴリの民間企業じゃないというか。柔らかい感じ。これがたぶんうちの会社の特徴なんだろうなとは思います。

──それでは、最後に東大生へのメッセージをお願いしたいと思います。

石田さん

よく転職の相談とかにも乗るのですが、今の時代、どこの組織にいないと何かができない、ということはあまりないと思っているんですね。たとえば、三井不動産に入りたい、っていうっている人が、三井不動産に入れなかったらまずいかというと、別に三菱地所や東京建物でも、たぶんやりたいことはできるんですね。まちづくりがやりたいなら、それこそもう不動産会社じゃなくても、設計会社やゼネコンという選択肢もあるし、できあがった後のソフトの部分、イベントをやることで、まちづくりに携わったりとかも考えられますよね。たぶん本当にやりたいことを突き詰めていった時に、どこの会社じゃないとできない、みたいなことってあまりないと思っています。

不動産の仕事はそれなりにおもしろい思っていますが、じゃあ学生の皆さんが今から30年40年働く中で、今までの不動産の稼ぎ方と同じように、新しい建物を作ってそれを貸してお金もらうっていうビジネスモデルがずっと続くとは限らないんですね。とにかく今ある仕事と同じことをやりたいです、っていうことだったらたぶんやめたほうがいいと思います。それよりは各会社が掲げるビジョンや持っているリソースから、自分なら何がやりたいか、ということを考えるほうが大事だと思います。

僕が学生のときに言われて響くかはわからないですけど(笑)。企業分析をして、過去こういうことをやってきたんだ、ということの重要性は下がっていると思いますね。

──本日はお時間いただきありがとうございました!

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