就活
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2022/02/21
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──修士時代に就職先に悩み、博士課程に進学されたとのことでしたが、博士課程卒業後の進路はどのように選ばれましたか?
杜さん
博士課程卒業後は化粧品の会社に入りました。
研究者にならなかった理由としては、修士、博士と研究をする中で、あまり心から楽しいと思えなかった、というところが大きいですね。自分が薬学の研究にあまり向いていないと分かりました。
それで、就職するなら自分が楽しいと思える仕事をしたいと思って、就職先を探していました。その中で、化粧品に興味があったので、化粧品会社への就職を希望しました。
よくニキビができてしまったり乾燥肌だったりと、肌の悩みが多かったので、私生活でも化粧品の成分を見ながら自分にあう製品を探していたのですが、それが全然苦ではなく、むしろ楽しかったので、仕事にできるのではないかと思いました。
また、化粧品会社に就職した先輩とも話をして、実際の仕事について、8ヶ月~1年程度で新製品を開発する、という短いスパンだというところにも惹かれました。
製薬は開発に10年かかることはザラな上、ロジックだけで全てが決まってしまうところに味気なさを感じたんですね。その点、化粧品は理性と感性の両方が求められるので、自分に向いているのではないかな、と感じました。
──日本ロレアル株式会社に就職されていますが、他の化粧品メーカーは検討されていましたか?
杜さん
日本国内の大手化粧品メーカーには全部エントリーしましたが、日本ロレアルは外資系なので選考が早く、内定をいただいたのが博士課程2年の1月の半ばだったんですね。ロレアルが化粧品業界で売上世界1位で第一希望だったため、内定をもらった段階で他のところの就活をやめました。
──就職後は、どのような業務を担当されていましたか?
杜さん
最初の1年は、全ての部署を回って業務内容を把握するシステムがあり、いろいろな部署を回って勉強していました。
2年目以降は、主にスキンケアの研究開発を行っていました。加える原料の種類、量、順番や混ぜる温度、乳化の方法などを決めて、実際の処方を作る研究を、7~8年ほど行っていました。
──入社前と入社後で、会社・業務へのイメージにギャップはありましたか?
杜さん
入社前は、それこそ東大の研究者のように研究をがっつり行うイメージだったのですが、実情と少しずれていた気がします。
東大で行っていたようにNMR(核磁気共鳴)やX線を使うようなものではなく、原料があって、それを混ぜて料理を作るような感じでした(笑)。
ただ、もちろん今まで世の中に無いような処方の創生や、既存の製品の課題に対して新しい原料の組み合わせを考えて特許を取る、というような仕事は楽しかったですね。
あと、もう一つ大きなギャップだったのは、仕事上でコミュニケーションが非常に多いというところでしたね。大学の研究だと、黙々と目の前の実験をひたすらやるようなイメージだったのですが、ロレアルでは、日々の大半の時間は口頭やメールでのやり取りや会議、プレゼンなどで過ぎていきます。
実験もしなければいけないし、コミュニケーションに使う時間も多いしで、1日があっという間でした。ただ、すごく楽しくて、結局ロレアルで8年ぐらい働いていました。
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