就活
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2022/02/28
# 文科Ⅲ類
# 文学部
# IT
# 女性のキャリア
―続いて、就活についてのお話を伺います。改めて、いつ頃から就活を始められましたか?
高野さん
1dayインターンには1年生の頃から参加していました。業界は決めておらず、地方創生や地域活性化をしたいと漠然と思っていました。そんな中就活スタートアップセミナーで「最初は自己分析をしなさい」と言われ、実際に東大の先輩にお手伝いをしてもらいながら自己分析を進めました。初めて1dayではない長めのインターンへの参加となったのですが、これがソフトバンクの主催する「TURE-TECH」という地方創生プログラムでした。
―どうして、TURE-TECHのインターンに参加することになったのでしょうか?
高野さん
「地方創生に興味があるならTURE-TECHというのがあるよ」と先輩に紹介してもらったのがきっかけでした。私にとって魅力的だったのは、地方自治体・民間企業であるソフトバンク・学生という三者それぞれの立場でできることを持ち寄って協力しようとしているところです。それぞれの立場が実際にどんなことができるのか、ということが学べるなら、すごく面白そうだと思って応募しました。
―TURE-TECHでは、実際にどのようなことをされたのですか?
高野さん
まず7日間のうち最初の2日間で、ソフトバンク本社に集まり、課題解決のための仮説を立てる話し合いをしました。あらかじめ、地方自治体からチームに対して解決してほしい課題の定義書が共有されており、学生はそれを読み込んできます。
定義書を基に、「こうすれば解決できるのではないか」という仮説を持ち寄り、チームのメンバーで話し合い、ああでもないこうでもないと考え、また仮説を立てるところまでを2日間で行いました。しかし、立てた仮説は机上の空論でしかないので、残りの5日間は実際に現地に行って困っている方にインタビューを行い、仮説検証を何度も繰り返していきます。ソフトバンクの社員や地方自治体の職員の方から案に対しての助言をいただきながら、一つの案にブラッシュアップします。そして最終日には、各チームが問題に対しての提案を市長に向かってプレゼンを実施しました。
後半の5日間が圧倒的にタフでしたね(笑)。
―実際の課題はどのような内容だったのでしょうか?
高野さん
課題は「農業にどうやって若者を巻き込むのか」でした。仮説段階では色々と案が出たのですが、実際に現地でヒアリングをすると、「○○の理由で○○ができない」など仮説の実現性の低さがどんどんみえてきて、とても苦労しました。上手くいった先行事例も少ないので、なおさら難しかったです。
―TURE-TECHを通じて得られたものはどのようなものでしたか?
高野さん
大変だったのも事実ですが、全体としてとても楽しくてエキサイティングでした!東京で考えた仮説を現地に持っていくと、何もできないことにショックを受けます。解決策を見出すために、すごく優秀な人たちと共に、自分一人では上げられないレベルまで思考速度を上げていくことがとても楽しかったです。TURE-TECHでは、新しい案を考えるスピードがすごく重要だと感じました。自治体の職員や社員の方など、社会人の方々に「こうしたらもっと仮説検証の回転を上げられる、もっと良い方向になる」と適宜修正してもらいながら進めることができ、今まで自分が学生として取り組んできたことに比べてスピード感、ワクワク感もすごかったですね。
―TURE-TECHに参加したことで何か変化はありましたか?
高野さん
自分たちのチームの案は、市長に採択されなかったので、とても悔しかったです。そして親身になって一緒に考えてくれた市の職員の方から「僕たちの力不足でごめんなさい」とのお言葉をいただいたのですが、その言葉を聞いた瞬間に「この人たちの信頼を裏切ってしまった」ととても不甲斐ない気持ちになって号泣してしまいました。親身になってくれた方を裏切ってしまったという経験から、仕事・私生活においても、「尽くしてくれた人の期待に応えたい」という気持ちが高まりました。また、ビジネスの関係でもこれくらい親身になってくださり、お互いに良い影響を与えられる、というところに感動したのも印象に残っています。
―TURE-TECHでの経験は、その後の就活へ影響しましたか?
高野さん
TURE-TECHのおかげで「民間からでも地方創生、地域活性化をできる可能性がある」ということを実感し、視野が広がりました。それまでは地方に関わるシンクタンクやコンサルを考えていたのですが、コンサルは提案をするが、実行をしないところが肌に合わないと思うきっかけにもなりましたね。TURE-TECHを経て、「やはり実行しなくては意味がない」と強く思いました。なので、実際に実行できる民間の事業会社(自社が主体となって事業を運営する会社)も可能性があると考えるようになりました。
―一般的に、東大生には商社やコンサル、投資銀行が人気ですが、そちらの選択はされなかったのはなぜでしょうか?
高野さん
自己分析の段階で、年収を高めていくことよりも、興味のある楽しい仕事をしたいと思っていました。それに加え、私は将来を考えたとき、自分で地方創生に関わるビジネスをしたい・独立したいと考えていました。未経験のまま自分で事業を興すのは到底無理なので、事業会社に入って勉強することから始めるのがいいかな……と思ったのもありますね。
―事業会社といっても選択肢が多くありますが、その中で貴社を選ぶに至った経緯はどのようなものだったのでしょうか?
高野さん
ビジネスの勉強をするなら、事業をたくさん展開している方が良いと思ったので規模の大きい会社を見ていました。事業の種類では、ITや自動運転、デベロッパーなどの事業を持っている方が自分のやりたい地方創生との親和性が高いと思ったので優先的に見ていました。また、社風を重視したいと考えていたため、社員の方との接触回数を増やすことも優先的に考えていました。
―最終的な選定理由は何だったのでしょうか?
高野さん
最後の決め手は、やはり社風でした。就活をずっとしていると何を重視すればいいのかわからなくなってくるタイミングがあると思います。その時に、スプレッドシートに自分が重視したい項目(年収や本社の場所、社風、OB訪問の回数など)を記載し、各社〇✕をつけ比較しました。その中で、私が特に重視したのが社風(社員さんと話していて感性がマッチするか、話している中で違和感がないか)でした。ソフトバンクは入社前に10人くらいの社員さんとお話ができたのですが、どなたとも摩擦がなかったのが決め手になりました。
―具体的にどういった社員さんがいて、どのような点が良かったのでしょうか?
高野さん
いい意味で、細かすぎない人が多いという印象がありました。多様性があるというか、色々な人がいることを否定しないイメージです。ソフトバンクの社員は、変化を好むことやスピードを大事にしているところは共通しているのですが、それ以外の部分でそれぞれ大切にしているものが違います。ある意味の緩さや器の大きさを感じ、それが良いと思いました。
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