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東大生のためのキャリア戦略論(1) ビジネスリーダーたちは「キャリア戦略」で 人生を飛躍させた

東大生のためのキャリア戦略論(1) ビジネスリーダーたちは「キャリア戦略」で 人生を飛躍させた

現代のビジネス界では、日本を代表する大手メーカーの大規模リストラや、海外企業による日系企業の買収劇などが珍しくありません。 

また、コロナ禍の影響により、学生に人気の高い航空業界や鉄道業界などの大手企業でも、業績が厳しくなっています。

私たち東大生の中で、将来に不安や危機感を感じている方も多いのではないでしょうか。

しかしながら、20代で活躍する社会起業家、30代前半で企業再建を担うプロ経営者、執筆や大学講義を行う経営コンサルタントなど、若くして活躍する東大の卒業生たちが存在することもまた事実です。

一体、彼らは、何をしてきたのでしょうか?

その秘密である「キャリア戦略」について、日本No.1キャリアコンサルタントの渡辺秀和氏に解説していただきます。

ビジネスリーダーたちは「キャリア戦略」で人生を飛躍させた

渡辺秀和(コンコードエグゼクティブグループ CEO)

一橋大学商学部卒業。株式会社三和総合研究所(現:三菱UFJリサーチ&コンサルティング)戦略コンサルティング部門出身。 2008年、株式会社コンコードエグゼクティブグループを設立。1000人を越えるビジネスリーダーに対して、戦略系ファームを はじめとするコンサルティング業界、ファンド、事業会社幹部、起業家などへのキャリアチェンジを支援。第1回「日本ヘッ ドハンター大賞」のコンサルティング部門で初代MVPを受賞。著書『未来をつくるキャリアの授業』(日経新聞出版社)など。

「キャリア戦略」が人生を飛躍させる

「キャリア戦略」とは、望む人生を実現するために求められる要素を逆算し、それを戦略的に獲得するキャリアを描いた中長期的なプランです。

ビジネスリーダーたちが人生を飛躍させた鍵は、大きく発達した人材市場を活用した「キャリア戦略」にあります。 

まずは、ビジネスリーダーたちのキャリアチェンジを支援している、コンコードの相談者の事例を見てみましょう。

35歳の女性が、大手事業会社のマーケティング部長への転職を実現しました。ベースとなる年収は、1,600万円。そこに諸手当などで200万円程度が加わります。この女性は、どのようにして、35歳という若さで、このような高いポジションを得ることができたのでしょうか?

彼女は新卒で日系大手企業の総合職として入社し、同期入社の社員と一緒に営業部門へ配属されました。しかし、数年が経ち、本人が希望する経営企画やマーケティングの仕事に就くまでには何年もかかるという現実に気づきます。しかも、その部門の幹部となるには、さらに十数年もの歳月が必要なのです。

多くの社会人が、このような悩みに直面していることでしょう。

20代後半となった彼女は、悩んだ末に、転職活動を行うことを決断。キャリアコンサルタントと一緒に、キャリア戦略を設計し、夢を実現するための一歩を踏み出すことにしたのです。

しかし、ここで一つ大きな問題がありました。営業職の人材を経営企画で採用してくれる企業は限られるのです。 

そこで、彼女は、まずコンサルティングファームへ入社することにしました。コンサルティングファームであれば、大企業の戦略立案や海外マーケティングのプロジェクトを数多く経験することが可能です。

その後、34歳でプロジェクトマネージャーとなった彼女は、豊富なマーケティング経験と高いリーダーシップを買われ、著名な大手外資系企業のマーケティング部長に35歳という若さでスカウトされました。同社でも最年少クラスでの抜擢です。

なんと彼女は、たった7、8年で、念願だった事業会社のマーケティング部門の幹部となり、希望を実現させました。適切なキャリア戦略を持つと、このように人生を大きく飛躍させることができるのです。

一方、もし新卒で入った日系企業に残ったままだったとしたら、毎日どんなに仕事をがんばっても、35歳でマーケティング部長に抜擢されることはなかったでしょう。仮に、働きながらMBAやCPAなどの学位・難関資格を取得したとしても、社内で営業担当からマーケティング部長へ抜擢されることは難しかったでしょう。

キャリア戦略をつくるコツは「キャリアの階段」にある

では、どのようにすれば、優れたキャリア戦略をつくることができるのでしょうか?

キャリア戦略をつくるコツは「キャリアの階段」にあります。「キャリアの階段」とは、望むキャリアのゴールに至るために、中継地点につくる足場のことです。

一足飛びにゴールに行くのが難しい場合でも、中継地点となる「キャリアの階段」をつくってゴールを目指すことで、その実現可能性は飛躍的に高まります。前述の女性のキャリア戦略で重要なポイントは、事業会社の経営企画やマーケティングのポジションを直接的に目指さなかったことにあります。

日系企業の若手営業というポジションから、いきなり他の大手企業のマーケティング部門や経営企画部門へ転職するというのは、ハードルが高いのです。しかし、コンサルティング業界であれば、若い方を対象に、未経験者でも採用している会社がたくさんあります。

そこで、まずはコンサルティングファームに入社して、戦略立案やマーケティングに関する業務経験を積んでおくという選択肢が見えてきます。


一旦、このような業務経験を積めば、事業会社の経営企画やマーケティング部門で「即戦力人材」として認められ、入社できるチャンスが一気に高まるからです。一見すると寄り道しているように見えますが、コンサルティングファームに行くことは、彼女にとっては事業会社の経営幹部に至る“最短ルート”になったのです。

また、キャリアの階段をつくるという発想は、安全・着実に目指すビジョンに近づくことができるという点でも優れています。この女性も、決してハイリスクな勝負をしているわけではありません。

一般的にリスクが高いと考えられている起業を目指す場合でも、キャリアの階段をつくることが有効です。経験が不十分なまま、いきなり起業するのは確かにリスクが高い。しかし、経営スキルや必要な業界知見を積んだ後で起業するようにキャリアを設計することで、その成功確率は飛躍的に高まります。

私たちのご相談者でも数多くの方が、キャリアの階段をつくり、スキルやネットワークを身につけてから、起業家として活躍されていっています。

なお、キャリアの階段は、ご相談者の職歴や要望などに応じて、様々な選択肢があります。場合によっては、キャリアの階段をツーステップ、スリーステップと挟むこともあります。

もちろん、自分が欲しいスキルや経験を習得だけを目的に在職するのは評価されません。所属する企業でしっかりとした価値を生み出し、組織に貢献することは大前提となりますので、ご注意ください。

エグゼクティブの皆さんも、軸となるキャリア戦略を持ち、個々の仕事で顧客や組織に対して成果を生み出すことで、人生を飛躍させています。


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