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東大生のためのキャリア戦略論(3) キャリア戦略をつくる3つのステップ

東大生のためのキャリア戦略論(3) キャリア戦略をつくる3つのステップ

キャリア戦略を持っている人とそうでない人とでは、その後のキャリアに大きな差が生まれます。

それでは、どのようにキャリア戦略を作ればよいのか、具体的な方法が知りたくなるのでは当然のことでしょう。

ビジネスリーダーたちは、何か特別な方法でキャリア戦略を作っているのでしょうか?

本稿では、キャリア戦略をつくる方法について、1,000人を超えるビジネスリーダーのキャリアデザインを支援してきた渡辺秀和氏に解説していただきます。


東大生のためのキャリア戦略論(3)キャリア戦略をつくる3つのステップ

渡辺秀和(コンコードエグゼクティブグループ CEO)

一橋大学商学部卒業。株式会社三和総合研究所(現:三菱UFJリサーチ&コンサルティング)戦略コンサルティング部門出身。2008年、株式会社コンコードエグゼクティブグループを設立。1000人を越えるビジネスリーダーに対して、戦略系ファームをはじめとするコンサルティング業界、ファンド、事業会社幹部、起業家などへのキャリアチェンジを支援。第1回「日本ヘッドハンター大賞」のコンサルティング部門で初代MVPを受賞。著書『未来をつくるキャリアの授業』(日経新聞出版社)など。

キャリア戦略は3つのステップで実現させる

キャリア戦略を立て、目指すキャリアを実現することは、登山になぞらえて説明することができます。

登山では、まず無数にある山の中から自分が登りたい山を選びます。そして、いまの自分のスキル・体力・装備などを考えて頂上に至るためのルートを設計し、決めたルートで登山を開始します。

登山と同様に、キャリア戦略においても目指すゴールとしてのキャリアビジョンを設定し、そこに至るためのルートを設計します。

具体的には、キャリア戦略は、次の3つのステップで実現させます。

  1. 目指すゴールとしてのキャリアビジョンを設定する

  2. 現状からキャリアビジョンに至るルートを考える

  3. ルートを歩むために就職活動・転職活動を成功させる

ステップ1:目指すゴールとしてのキャリアビジョンを設定する

まずは、自分のゴールとなるキャリアビジョンを設定しなければ、どのようなキャリアを積むべきかを決めることはできません。キャリアビジョンとは、中長期的なスパンで見た、自分がやりたい仕事や人生の理想像です。

キャリアビジョンを設定することは一見すると当たり前のようですが、実際には、それを設定せずに資格取得に奔走したり、ブランドや年収水準で転職先を選んだりするビジネスパーソンも多いのです。

目指すゴールが不明確なまま闇雲に努力しても、望む人生にたどり着くことは難しいのが現実です。焦らずにキャリアビジョンを設定しましょう。

それでは、どのようにしてキャリアビジョンを決めればよいのでしょうか。

私たちは、自分の「好き・嫌い」をベースに決める方法をお勧めしています。そもそも、好きなことに打ち込んだ方が人生は楽しいというだけでなく、力を注ぐことが苦ではないため、高い価値を生み出しやすくなります。そして、その道で一流になることができれば、社会に与えるインパクトや収入も大きくなるでしょう。

「今後はこの業界、この職種が儲かる」とか、「この企業はトップ層の学生に人気がある」といった損得の観点や世間体は、一度、横に置いて考えたほうがいいと思います。

人生の大半の時間をかけることになる仕事を規定する大切なものです。トレンドやブランドに惑わされず、自分の価値観でキャリアビジョンを決めることが大切です。

関連記事:「好き・嫌い分析」でキャリアビジョンを設定する

ステップ2:現状からキャリアビジョンに至るルートを考える

キャリアビジョンを設定したら、現状からキャリアビジョンに至るルートを考えます。これは、やや難度が高い作業となります。無数とも言えるルートの中から、どれを選べばキャリアビジョンに到達できるのか、さらにその中で最適なプランはどれなのかを見極める必要があるためです。

ひとつには、自分が目指す仕事に就いている人が、どのようなキャリアを歩んだのかを調べるという方法が有益です。今、高いポジションに就いている人も、いくつかの職歴を挟み、その経験を活かしながら活躍していることが多いのです。

皆さんは、企業買収の話題などでメディアに登場する、PEファンドという業界をご存知でしょうか。最近では、NHK「ハゲタカ」をはじめとするドラマや映画にもよく登場するようになりました。関心を持っている方もいるかも知れませんね。

実は、PE業界は、新卒で入社している人はほとんどいません。投資銀行や戦略コンサルティングファーム、ファイナンシャルアドバイザリーなどを経てから入社している人が大半です。同業界を目指す場合には、それらのステップを経てからチャレンジするのが近道となります。PEファンドに所属しているメンバーの経歴を見ると、それらの有力なルートが浮かび上がってきます。

但し、価値観や得意不得意などには、当然に個人差があります。目指す人と同じ職歴を選ぶ必要はありません。その点は、くれぐれもご注意ください。

また、キャリアビジョンに至るルートを考える時には、企業の採用動向に詳しい社会人に相談してみるのも良い方法です。インターンシップで接点を持った企業の人事の方や、人材紹介会社のキャリアコンサルタントの方など相談先はいろいろあります。人材紹介会社への相談は通常は無料で行ってもらえますので、会ってもらうことができれば良い機会になると思います。

なお、将来は社長・経営幹部として活躍したいと考えているのであれば、「ハブ・キャリア」と呼ばれるキャリアが役立ちますので、下記の記事を参照ください。

関連記事:「ハブ・キャリア」で業界・職種を跨ぐキャリアチェンジを実現する

ステップ3:ルートを歩むために、就職活動・転職活動を成功させる

キャリアビジョンに至るルートを設計したら、あとはルートに沿って就職活動や転職活動を成功させる必要があります。設計したキャリアビジョンとルートが「絵に描いた餅」となってしまうかどうかは、勝負どころである就職活動・転職活動を乗り越えるスキルにかかっています。

「自分は口下手だから面接は自信がない。」という人もいるかも知れませんが、安心してください。大学入試と同様で、対策は十分に可能なのです。

実は、私たちのもとに相談に訪れている、ビジネスリーダーの皆さんの転職活動も、選考対策が明暗を分けます。書類対策や筆記試験対策、ケース面接をはじめとする各種面接対策は必須となります。

「有名企業で活躍するエリートは、面接の練習など必要ないだろう」と思うかも知れません。しかし、トップ営業マンとして、鮮やかに自社商品をプレゼンしている人でも、普段から自己紹介をしたり、志望動機を話したりしているわけではないのです。

どんなに優秀な人であっても、はじめて取り組むことで高いパファーマンスをあげることは難しい。何度も模擬面接で練習してから本番に臨むことで、本来の実力を発揮できるようになるのです。

社会人経験の浅い学生であれば尚更です。早い段階から、しっかりと対策をして、ぜひ就職活動を成功させましょう。

関連記事:内定を勝ち取る選考対策とは


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